トルサージ(湧田束)特集

『第一回 forkN N次創作大賞』にて佳作を受賞された、トルサージ(湧田束)さんの作品を特集!
SFのようだったり、ホラーのようだったり、ファンタジーのようだったり…作品によってテイストを変えながらも、芯を貫く作家性が魅力。文学賞の最終選考に残るなど、これからの活躍がますます期待されます!

ヒスイノセカイ

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ヒスイノセカイ

夢で見た世界の終わりを、頑なに信じ込む妹の翡翠《ヒスイ》。
その奇行に戸惑いながらも、俺は世界の終焉までに『残された3日』を彼女と過ごすのだが…。

著者コメント

初めて兄と妹を題材にして書いた短編小説です。二人の微妙な距離感と軽妙な会話の組み立てに苦労しましたが、書くことの楽しさを再確認できる作品となりました。 どこまでも切ない兄妹の愛情と、『世界の終わり』の余韻を楽しんで頂ければ幸いです。

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  • 10ページ

妖精と過ごした7日間の夏

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妖精と過ごした7日間の夏

ふとしたきっかけで妖精を飼うはめになた俺の、7日間の現代ファンタジー小説。
しがない作家の俺は森の奥で怪我をした妖精『ザクロ』と出会う。ファンタジーなイメージとはほど遠く、口が悪くワガママなザクロに振り回されながらも、俺は次第に彼女に惹かれていくのだが……。

著者コメント

妖精がペットショップで当たり前に売られている世界、という奇抜な設定から生まれた現代ファンタジー小説です。ブログ連載から始まり何度も加筆修正を繰り返し、2年がかりでようやく中編小説として完成稿に辿り着きました。口の悪い妖精と売れない小説家の、一風変わったポップな恋愛物語です。

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  • 小説>恋愛
  • 20ページ

狐憑きの彼女

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狐憑きの彼女

狐に取り憑かれ奇行を繰り返す妹の七緒。彼女の行動を探る俺が辿りついた真実とは—?
晩夏の狐集地域を背景に、俺と妹の3日間を描いた物語。

著者コメント

『ヒスイノセカイ』の姉妹的位置づけの小説です。兄と妹というテーマや舞台も同じ設定ですが、結末は全く違うテイストの作品となりました。怪異譚における『物憑き』を、違った側面から描いてみました。この二つの姉妹作品を手がけたことで、今後の執筆の幅が少しでも広がっていけたらな、と思っています。

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  • 小説>恋愛
  • 11ページ

ユキメの庭で

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ユキメの庭で

日本という風土の中には、神話的土着信仰が今でも根強く残っている。それは時に慣習としての禁忌や畏怖に結びつき、民話や伝承として口述されてきた。
素人物書きが取材旅行というのも随分とおこがましい話だが、僕はしばしば仕事の休暇を取っては小説の題材となる地方に取材に出かけている。 凍てつく風が車内に吹き込む。窓から見える北アルプスの稜線が、既に真白に色づき始めていた—。

著者コメント

伝承怪異譚『雪女』の取材旅行を元にしていますが、ルポの形式を取りながらも読み進めると次第にオリジナル小説へと形態が変化していくという、実験的作品です。雪に閉ざされた世界で出会った男と女の姿を、雪女の考察を交えながら描いています。読んで頂いた方からのコメントは「物好きの極地」。

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  • 5ページ

作者紹介

トルサージ(湧田束)

物書き、webライター。ビジュアルノベルシナリオ製作。
【室生犀星文学賞 最終選考選出】【電子書籍forkN《N次創作大賞》佳作受賞】
※純文学、SF、恋愛、伝承怪異譚、幻想小説など執筆。